XML文書について

XML文書について
1. はじめに

XMLは、テキストデータを基本とした簡便さ、さらに機械処理の容易さ、汎用性の高さが特徴ですでにシステム開発などの分野で広く利用されています。それに伴ってXMLに関する書籍が多数出版されていて、さらにインターネットにも紹介のページが多くあります。

詳細については、それらを参照して頂くとして、ここでは、本ＨＰ｢ソフトの道具箱｣で紹介している各種ツールのデータを作成し修正する上で、必要な範囲でXMLの文法とデバッグの方法について説明します。

2. XML文書

XMLの規則に沿ったデータをXML文書と言います。 XML文書は、テキストデータでテキストエディタで作成や修正ができます。 XML文書の構成は、概略 1)XML宣言文と、 2）要素からなる文書本体から成ります。

XML宣言文はテキストデータの最初の行にあって、次の書式で記述します。

<?xml version="1.0" encoding="Shift_JIS"?>

これによってデータがXML文書であって、その内容は、"Shift_JIS"(シフトＪＩＳ)で記述されていることを示します。 "encoding"の値にはこの他、Unicodeを示す"UTF-8"、日本語EUCを示す"EUC-JP"等を使うことができます。

XML宣言文の後には、 XML文書をブラウザ等で表示する時の書式を規定する｢スタイルシート｣を指定する文を文書本体との間に記述する場合があります。

3. XML文書における要素

XML 文書の本体は、<xxx>aaaaa</xxx> と表現される一つの要素で構成されます。 <xxx> から </xxx> までを要素xxxと呼びます。この時、<xxx> は開始タグ、</xxx> は終了タグと呼ばれ、開始タグと終了タグにはさまれた部分（ここでは aaaaa）は、要素の内容と呼ばれます。

要素の内容は、文字列から成る場合、別の要素を含む場合があり、さらに両者を含むこともできます。また、内容になにも含まない場合は、 <xxx></xxx>もしくは<xxx /> と書きます（例　<br />)。

要素dの内容に含まれる要素eは次の図ように書くことができ、２つ要素は入れ子の関係になっていると言います。

　　　      要素d
    |<------------------->|
    |                     |
    <d>...<e>...</e>...</d>
          |        |
          |<------>|
            要素e

この時、要素eは要素dの子要素と呼ばれ、また逆に要素dは要素eの親要素と呼ばれます。要素dと要素eの親子関係は次のように書くこともあります。

   <d>
    |
    +---<e>

２つの要素は次の図にあるようにはできません。入れ子の関係がくずれています。

     +----------+
     |          |
    <d>..<e>..</d>..</e>
          |           |
          +-----------+

最上位の親要素は、ルート要素と呼ばれXML文書に一つだけ存在します。他の要素は、ルート要素の子か、子孫になります。また、要素の内容の記述の中で、先頭、途中もしくは末尾に連続した見えない文字(例：空白、改行、タブ）がある時は、１文字の半角空白に置きかえてられたり削除されたりすることがあります。

開始タグには、次のように属性を付けて書くことがあります。

   <要素名 属性名="値">
   
　　　　例： <table border="1">

ここで属性の値はダブルクォーテーションで囲います。

XML文書で、""の間は、コメントとして扱われます。なお、コメントの中には"--"を書くことはできません。

4. XML文書の形式の確認

XML文書をテキストエディタで作ったり、修正したりする時に生じる誤りは、次の二つに大別できます。

1) XMLの規則の上の誤り

2) XMLの規則には適合していても適用するアプリケーションないしツールの規則に反するもの

XML文書は、規模が小さい場合は誤りを簡単に見つけることができますが、規模が大きくなってくると、単語のスペルミス、開始タグや終了タグの欠落など誤りをなかなか見つけにくい場合が生じます。

そんな時、XMLの規則の上の誤りを見つけるのに便利なツール "XML Notepad 2007"があります。 XML文書のデバッグとして、 XML Notepad 2007を使ってXMLの規則の上の誤りを見つけて修正するためには、次のようにします。

1)		XML Notepad 2007を起動します。
2)		XML Notepad 2007の窓にXML文書をドロップします。
3)		この時、 XML文書誤りがなければルート要素とその直下の要素の一覧が表示されます。一方誤りがある場合は、誤りの内容と場所を示すメッセージが表示されるので、これを参考にしてテキストエディタでXML文書を修正します。

アプリケーションやツールの定める規則に反する問題の解決法は、それぞれのマニュアル等を参照して下さい。

付録（1） XML Notepad 2007のインストールとアンインストール

XML Notepad 2007は、マイクロソフト社が無償で提供するツールです。このインストール手順は次のようになります。

1)		検索キー"XML Notepad"でインターネットで検索します。
2)		検索結果の "Download XML Notepad 2007 from Official Microsoft Download Center" をクリックして、マイクロソフト社ダウンロードセンターのXML Notepad 2007のページを開きます。
3)		"DOWNLOAD"ボタンをクリックし、さらに実行ボタンをクリックして、インストールします。

アンインストールは、次の手順によります。

1)		OSの｢スタート｣ボタンをクリックして、｢コントロールパネル｣をクリックします。
2)		コントロールパネルのページから｢プログラムのアンインストール｣をクリックします。
3)		プログラムの一覧で"XML Notepad 2007"をクリックした後、｢はい｣のボタンをクリックしてアンインストールします。

　CREA, 平成25年4月29日